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1999/04/13

骨折物語 第二部 いざ手術室へ

うーん・・、もう朝か・・まだ6時じゃん。
ここは何処だ?
・・・そっか病院か

(ちょっと白々しいか)
昨日は訳のわからないまま寝てしまったが・・やっぱり左足が台の上に乗って引っ張られている。上半身を起こす以外ほとんど動けないようだ。
毛布をはがす と、TシャツにT字帯というけっこう情けない格好。これは改善する必要があるな。
ところで、この状態でトイレはどうすれば良いんだろう?小は尿瓶があるか ら良いとして・・・考えるの止そう、気がめいってくる。そうだ、会社に電話しないと・・って、どうやって電話する?あっ今日は日曜日か、明日考えよう。
テ レビでも見るか・・あれ、旅館のテレビみたいに横になんか付いてるな・・どうやらカードが必要らしい。
そう言えば「入院あんない」の冊子をもらったな、先 ずはマニュアルでも読むか(システムエンジニアの基本だな)。
「家族の付き添いは不要です、毎日のお世話は看護婦がさせていただきます」よしよし。「入院医療費は10、20、末日で締め切 り・・」をっ、カードが使えるよしよし。
まっ、何とかなるさ!そんなに酷いことにはならないだろう。

突然始まった入院生活は大体こんな感じです。
・ 6:00 起床。看護婦さんが電気をつけて、カーテンをあけてゆきます。
・ 8:00 朝食。どうやって食べるのかと思ったら、ベットの背もたれが起きるのでなんとかなりました、パラマウントえらい。ただし手動なので、その度に看護婦さんにベットを起こしたり、倒したりしてもらいます。
・ 9:00 風呂に入れない患者の為に(私もその一人)体を拭く熱いタオルを配ります、 幸い私は両手が自由なので、自分で拭けますが、そうでない人は看護婦さんが拭いてくれます。重症な人はきっと、嬉しいような恥ずかしいような体験ができるでしょう。
・10:00 看護婦さんが体温をはかったり、様子を見に来ます。さらに週1くらいで、医者が団体で回診に来るようです。昔みた病院のドラマのようです。
・12:00 昼食。
・13:00-18:00 ひたすら暇な時間です。
・18:00 夕食。
・21:00 消灯。今時小学生でも眠れるかー!と思っていても、暗くなると結構うとうとしてきます。
・24:00 足が痛み出して目が覚めます。看護婦さんに座薬を突っ込まれるか、我慢するか考えどころです。

ベットの上で寝返りさえ出来ない状態で、見える範囲は限られていています。病室は6人部屋で満室です。大体皆歩けるようですが、一人だけ寝たきりのひとが 居ます。頭の周りにやぐらが立っていて、頭を固定してるようです。どうやらモーグルの大会中にジャンプで失敗して首の骨を折ったようです。さすが志賀高原 のお膝元、スキー、スノーボードが多いようです。廊下をみていると、頭の上に変な器具をつけたひとや、車椅子のひと、松葉杖のひと、ベットごと運ばれてゆ く人・・・結構飽きません、こんなスクリーンセイバーがあってもいいかなーなんて思います。窓の外は北信五岳(飯綱、戸隠、黒姫、妙高、斑尾)が見えます。

こんな感じで暇してるうちに、先生が「入院診断計画書」をもって来ました。これによると、4月13日に手術、推定入院期間は6週間。10日もベットの上で 動けないままかー。何で手術まで、10日も掛かるかというと、骨折部の腫れが退かないのと、骨に埋め込む髄内釘が足長さにあわせて作る特注品で時間がかか るのだそうです。そうこうしてる内に手術前日。またまた手引書が届きます。

<前日>
1.手術するところの毛を剃り綺麗にします。
2.体を拭きます、爪をきります、ひげをそります。
3.化膿止めのテストをします。
4.麻酔科の診察があります。
5.24時から飲食しないでください。
6.明日に備えてお休みください。

看護婦さんが剃刀をもってやってきます。脛毛から剃り始め・・どんどん上へ剃り広げてゆきます。冷たい剃刀がちょっと好いかも・・。腿のあたりを剃ってい ます・・・それ以上そると、足の毛じゃなくなってしまうよ。こんなツルツルの足を見るのはウン十年ぶりです。手術する場所の毛を剃るのはわかるのですが、 なんで、ヒゲとか爪とかまで綺麗にするのか聞くと、「死んだ時に、みっともないとまずいでしょ」。うーん。

<当日>の注意書きで目を引く1行が・・
「4.排便の無いときは9時ころ浣腸をします。」
げっ、ベットに横になってから、便秘がちで、ローテーションでは、今日は無い日です。
どうも回りの皆もこの洗礼を受けたようです。
例によって、T字帯を外され、恥ずかしい姿・・ここにきて何度目だろう。
「腰上げられますか?」
冷たいチューブのようなものが肛門のあたりでうろうろしてます。結構堅そうで、つい力が入ります。
「もうちょっと上です・・あっ!痛い」
次の瞬間、暖かいものが体のなかへ・・直腸から大腸へ温かいグリセリンが広がってゆきます。

(ここからは、当局の規制のため省略します。)

手術日当日は飲食できない為か、朝から点滴がセットされています。いやがおうでも気分は盛り上がります。さて、時間になりいよいよ出発です。注射をされて ベットごと運ばれます。この辺から記憶があまり有りません、たぶんさっき打たれた注射の影響でしょう。どこを通ってるのか全然わかりません。だんだん景色 が変わって、機械が多くなってきます・・壁も今までと違うようです、なんかスーパーの奥の鮮魚、精肉をあつかってる部署のようです。
いよいよ、手術室です。手術台に移され、素っ裸です(布切れがかかってるようですがよく分かりません)。腰に麻酔の管がさされたようです、下半身が暖かく なって、だんだん感覚がなくなってきます。左腕には点滴、右腕には血圧測定器・・こいつが、定期的に腕を締め付けます。右手のほうには、ブラウン管にレン トゲンの映像がでています。先生が足を思いっきりうごかして、どのようにくっつけるかシュミレートしてるようです、すごい痛そうです。麻酔が効いてなかっ たら、悲鳴が聞こえたでしょう。かなりボーットしてきて、気がつくと目の前に布が垂れていてよく見えません。いつのまにか、寝てしまったようです。
手術の様子が見れるかと思って期待していたのに、残念です。それでも、時々振り上げる電動ドリルや、ハンマー(金槌と呼ぶには大きすぎる)が見えます。約 3時間で手術が完了、手術後の記念写真(レントゲン)をとって、病室に戻されます。この間20分程度しか記憶に残ってませんでした、あっという間の出来事 でなんだかよく解らないままに終わってしまいました。

病室に戻ると、あの忌まわしい牽引装置(足を引っ張る装置でこいつの為にベットから動けない)
はなくなっていて、ほっとしました。その代わり見慣れないチューブが体からのびています。
おちん○んから伸びているようです・・・トイレ行かなくて済むみたい・・・
しかし、このチューブを通している時のことを考えると気が遠くなります。
入院して羞恥心がどんどん崩壊してゆきます。

食事も取れないし、熱もあるようだし、こんな日は寝てしまいましょう。

<第三部 がんばれリハビリ>

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