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1999/04/04

骨折物語 第一部 長い一日

4/3志賀高原、晴れ。

奥志賀高原ホテルでゲレンデを眺めながら、ゆっくりと食事をしていた。
どうして春スキーはこんなにのどかなんだろう。

中ジョッキを飲み干す頃にはレストランも結構混みだしていた。

「さて、そろそろ行くか!」
午後になり、気温に比例して、ゲレンデも荒れていった。
おっと、ちょっとバランスを崩したか・・なんか今日は調子わるいなー。
次の瞬間、左のスキーのトップがコブにひっかかってる。やばい!
左足に異常な圧力を感じる、と同時に転んでいた。反射的にビンディングを外す。痛みはあまりないが、スキーブーツが僕の想像とは違う方向をむいている、僕の意志を無視して、重力のままに斜面の下をさしているように思える。
大作が心配そうにやってくる(いま思うとそんなに心配そうではなかったか)
「大丈夫か?立てる?」
「こわい、絶対無理!」
ひざから先は、皮一枚でつながっているように思える、立った瞬間に恐ろしい事が起こる予感がする。

  (大作、パトロールをよびにいく)

「ブーツ脱がないと始まりませんから。」
足はだんだん腫れてきてるようだし、ただでさえブーツを脱ぐのはきついのに…無理やり脱がしたら、足が取れちゃうんじゃないだろうか?
先ずは2人でがかりでようやくブーツを脱がそうとするが……
「痛い!もげるー」
思ったとおり、かなり痛い、ブーツを壊してもいいから、痛くないようにしてほしいな・・。全員(3人掛かり)で何とかブーツが脱げた。
負荷がとれで、ちょっと楽になったきがするが・・足を目の当たりにして
「これは、折れてるな」
ちょっと弱々しい(針金とスポンジでできてるのかな)添え木で足を固定し、ボートでいざ診療所へ!
GO!GO!
初めてのボードでわくわくしていたが、乗り心地の悪さの前にはうれしくない。
急斜面でゆれるのはしょうがないが、緩斜面でもバリバリにゆれて
るじゃないか、ゆれる度に激痛が走る・・まだ着かないのかなー。
こんなことだったら、もっと下の方で怪我すればよかった・・・。
「すみません、もっとゆっくりお願いします。」
一旦ゆっくりになるが、じきにスピードが上がり出す、きっとみんな疲れて押さえが効かないんだな・・・・

(このあと、車で診療所へ)

診療所の先生は、10秒くらい診て
「折れてますね、ここでは処置できないので病院へつれてってください。」
(診察料¥3000なり)
救急車を呼ぶと、来るまでに1時間くらいかかるので、大作の車で中野市の病院へ行くことになった。
カーブする度に足が左右に揺れる・・足がだんだん腫れてくる。
早く病院に着かないかなぁー・・が、期待は裏切られた。
何故か渋滞している。土曜の午後2時でなんで下りが混んでるんだぁ!

(どうやら、トンネルの中で事故ってたようだ)

どのくらい時間がたったのだろうか?どうやら病院についたようだ。
大作が病院の中に入って行く。ベットか担架が出てくるのを期待していたが、出てきたのは車椅子だった。一応添え木がしてあるとはいえ、気を抜くと僕の足は すぐに左右に倒れようとし、激痛をはしらせる。車椅子に乗りさえすれば、あとは先生が何とかしてくれる。そんな思いで、ようやく車椅子に乗り込んだ。
足がかなり不安定だったので、タオルで足を吊って自分で持つことにした。
診察室に入ろうとすると「レントゲンをとってきてください。突き当たりを右にまがったところです。」うろうろしながらレントゲン室をさがしてると、本人的にはかなり重症でもっと労わってくれても良いんじゃないか
なぁーなんて思い、結構さびしい。

自分で押さえてないと転がって行きそうな情けない足、後ろから入ってきたお仲間(多分骨折者)が、看護婦さんに押されて入ってくる。其の瞬間「いてぇ!」どうやら、机の角に骨折したであろう足をぶつけたようだ
「ごめんなさいね。」
看護婦さんの軽い返事・・・絶対何時もぶつけてるな。
あとで、聴いたところによると、志賀高原を含むこの辺一帯での骨折は、この病院に運ばれるらしく、この時期むちゃくちゃ急患が多いらしい。

ようやく処置が始まった。
ドリルで踵に針金を通し、滑車とおもり(5kg)で足を引っ張る、牽引と呼ばれる処置らしい。どうやら、このままほっておくと直るのではなく、手術するまでの一時的なものらしい。

足はどんどん腫れて、痛みも増してくる。どうも、足が痛くて眠れない、眠れないどころか我慢できないかも・・・
ナースコールしようかなー・・
もうちょっと我慢しよー。
もうだめだー!。
「痛くてねむれないんですけどぉ」
「じゃあ座薬つかいますね。」
えっ?座薬ってお尻にいれるあれだろうなー、やっぱり我慢しようかなー。
座薬をもって看護婦さんが戻ってきたかと思うと、いきなりパンツを切りはじめてる。
えっ!なんで?
「パンツ脱げないんで、きっちゃいますね。 」
確かに、ベットに足を固定されていて、脱げないよなー。あっ、自分で・・
「腰を上げられますがー?」
「あ、はい・・」
結構恥ずかしい体制だなー。気がつくとT字帯(ガーゼで出来たふんどしだな)をはかされて、お尻には座薬が・・
薬が効いてきたのかいつのまにか眠り込んでしまったようだ。

こうして長い一日は終わった。

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